右手の手袋をはずし、タルトから苺をひとつとった。
「アネモネ」
「ん・・」
口に入れるとき、わずかに触れる口内の感触がくすぐったかった。


そうやって、二つ、三つ、四つ目をアネモネの口元に持っていくと。
カプっ
「アネモネ!?」

苺を持った指を、そのまま口に含まれた。
指ごしに伝わる苺のつぶれる感覚や
一緒に舐められる指
段々顔が熱くなる。

「あ、アネモネ?」
ゴクン
苺を飲み込んだのに、まだ指は開放してもらえない。
ドクドクと心臓が高鳴る。

「・・・・」
アネモネが何も言わず。ただ眺めている。
クスクス
腕をつかまれた。
離しはしない。
そう言われている様だ。



重なる視線も耐え難い、
今自分は、見っとも無い顔をしているのだろう。

チュク、

「なっ、アネモネ!!」

クスクス



アネモネに指を吸われた。
あまりの恥ずかしさに、声が裏返る。

余程、面白かったのだろう。
アネモネは、まだ笑っている。

それでも、腕を話す気はないらしい。

左手で自分の顔を隠した。





卑猥な音を立てて、
アネモネはその行為を続ける

哂い声の合間に音を立てて吸われる


チュク チュ ジュル


「っ アネモネ・・・・ん」



指の先を舐められた




頼むから離してくれ。
声に出すことはできなかった。





ひとしきり遊ぶと

今度はつかまれている腕の力がこめられた。

「いった、・・・っ」

親指と人差し指を思いっきり噛まれた。

感覚で血が流れているのがわかる




それにかまいもせず、アネモネは血を飲み込んでいた。

傷のできた所をアネモネが歯でなぞる。

背筋に電気が走る
頼むから二度噛みだけはやめてほしい。
願いは無駄だった。


ガッ
「っく、〜」

そうしてやっと指が開放された、
勿論自分の指は血だらけで、ふやけていた。



「あはは、馬鹿じゃないのv」



本当に馬鹿だ。

というより、踏んだり蹴ったりだ。



「血飲んだらノド渇いちゃった。」
「・・わかった。何か持ってくるよ」
指がじんじんする


そう言い、ドミニクは出て行った。





「ホントおっかしい。」



タルトを見ると別途の苺の上に赤い液体が付いていた。
それを苺ごと掴み、アネモネは口に含んだ。








「・・おいしいv」