〜♪〜♪〜


ドアが開くとアネモネの唄声が流れた
 
  
「アネモネ」
 
振り向きざまに帰ってきたのは不平だった
 
「遅いわよ、ドミニク」
 
「ごめん」
「早くロリエの生ちょこ頂戴!!」
 
「それが、凄い人気で着いた時には売り切れてて」
 
「何よそれ!じゃあ無いの!?」
アネモネの顔はどんどん険悪になっていく


「ごめん、でも代わりにイチゴのタルトをかってきたよ。
これも凄く人気がぅわっ あ、え゛!?・・ちょ っ痛・・あ、タルト!」
「いいから早く頂戴!!どれだけ待ったと思ってるのよ! 」

「っごめん、 」

話を切られるのはいつものことだが、どうやって投げたのか、ガリバーが飛んできた

タルトは何とか無事みたいだ

「フン、」
アネモネはタルトを奪い満足そうに入れ物を見る
しかし此だけではおわらなかった 
ガツッ!

「っう・・ゴホっ・・グ つ」
 
アネモネの踵の高いくつが横腹にめり込んだ
 
また痣ができる、ズキズキする痛みの中でふと思った
 
  
  
当の本人は箱を
開けタルトの苺を頬張っていた




「おいしー」
 
  
  
  
立ち上がるだけでも痛みは響く



「かわいー」
それでも、アネモネが喜ぶのならそれでいい
 
  
  
  
  
  
  
  
「うっぐあ゛!い゛ったい!」


「しまった、薬を!」

もがくアネモネを左手で抱き締め
右手で薬をもった 
しかし、思うように射せない
 
  
「アネモネっ」
「ひぐっあ゛・・ぁづくぅ 」

「アネモネ!」


アネモネの腕が首に絡み付いて、丁度首筋が目線に入る
「アネモネ射すよ」
ブシュ!
「あ゛く゛っ・・・ぅっぁ」

「アネモネ」


右手の薬を捨て
アネモネを抱き締めた
小刻に肩が震えている

「大丈夫?」

「ぅ・・・ン」
肩で息をしているのが伝わる
「ぃ チゴ」
 
「え?」

「苺、食べたい」

「わかった。」

アネモネを抱えそのままベットに連れていき寝かせた

「だいじょうぶ?」
「ん」


タルトは床のうえに落ちたが苺はその上だ

「アネモネ、フォークを」
腕裾を引っ張られた

「いいから、頂戴」