いない
誰もいない
誰も
 
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
  
alone
 
  
  
  
  
  
  
何も伝わらない

目のまえで散るコーリアンの真っ赤な色
聞こえてくる知らない声
いつもあるはずの全てが
ない
 
ここには誰もいない
 
  
  
知らないやつらが、あたしの腕を掴む

キモチワルイ

今までこんなこと一度もなかった
いつもドミニクがあたしを連れてってくれた
薬だっていきなりさしたりしなかった
こんなベルトで縛りつけたりも


ここのやつらは誰もあたしを名前で呼ばない
お前とか酷いときは紛い物、出来損ないと
あたしにはアネモネという名前があるのに

『アネモネ』





あまりのダルさに耐えかねて
瞼を閉じた 















「アネモネどうしたの?気分でも悪いの?」






「・・・何よ、ドミニクじゃない。あんた今までどこにいってたのよ」


「ごめん、大丈夫?」


「ここキモチワルイ、部屋のベッドに行きたい。・・・・ドミニク?」

そう言い瞼を開けると眼に映ったのはやたら明るい光だった


そのライトが当たる間あたしの声は届かない
腕をあげることも


動くのはこの目だけ
 
「何よ、誰もいないじゃないっ」
 
  
  
  
  
いない
誰もいない
誰も
 
  
  
  
  

ここにはいない
 
 
  
  
  
  
  
  
ドミニク 
 
  
  
  
  
  
「ドミ・・・ニ・・ク?」