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「いってらっしゃ〜い」
「・・・」
凜々蝶とカルタを見送る姉さんは今日も
「あ〜、も、二人ともホントかわいいっ」
「元気だね〜」
「つか、あんたもでしょ」
「へ?」
「何のんびりやってんのよ」
「あー、うん」



淡白で
ぼんやりして
こうやって、ふらふらして
でもたまに、おかしくなりそうな
たまにだけ、だけど
ホントは結構考えてんだよ





多分


「さっさとしなさいよ」
「ういー」



線が見える
これ以上は越えてはいけない
濃い線が見える
今の俺が近づいていいのは
多分この線まで
近づけるのは
この線まで
触れるには、まだまだ遠い




「何?よ」
「・・・・」
あ、見てたの気づかれちゃったよ
「ちょっと、反ノ塚?」
「ん、いや」
「?」
「何でもないよ」
「・・あんた頭でもおかしいじゃんないの?」
「いや〜、、あれ?俺今ディスられた?」
「何よ、熱でもあるの?」
「ん〜、多分、ない」
額に手が触れる
やっぱ冷たいな
「そ」
手はすぐに離れて


「抗菌タオルって姉さん酷くない?」
「当然でしょ」
「はは、ま、俺もガッコ行こ〜」
「あんた間に合うの?」
「多分、あ、野ばらちゃん」
「何?」
髪に
「何かついてますよー」
「ちょっと触らないでよ」
「ひっで、はいとれた」
「言えば自分でとれるわよ」
「ははは」


そうなんだけど、
何か理由作って触れたい位の
我侭は言わせて欲しいわけで


察してよ姉さん


「ほら、さっさと行きなさいよ」
「んー」
「・・・反ノ塚」
「ん?」
「体調悪いの?」
「なになに心配してくれんの?」
「SSとしてね!!」
「え〜、つか大丈夫だよ」
「あんた、大丈夫じゃなくても大丈夫って言うでしょ」
うん、言うよ
流石姉さん

「・・・」
「ねえ」
「うん」
「野ばらちゃん」
「なに?」

許してくれないかな
伝えること

「・・・ホントに大丈夫」
「そ、じゃあさっさと行ってきなさい」
「うん」
バシッと背を叩かれた
「い、たた」
「ったく、いってらっしゃい」
「んー」









早く君に許されたい